お風呂のはなし 

私が中学生までいた鉱山の町は、今は閉山して人が住んでいません。

4軒から2軒の家が雪廊下で繋がる長屋が社宅の生活でした。

2DKが基本で、父母と兄弟2人で住んでいました。トイレはそれぞれにありましたが、

洗濯場は雪廊下の先や途中に共同でありました。

お風呂はなく、共同のお風呂が地域ごとにあって、洗面器に入れたお風呂道具を風呂敷に包んで

入浴しに行っていました。

高校生になって、引っ越して自宅にお風呂があったので、なんて贅沢なのかしらと思いましたね。

冬は、お風呂に入った後家に帰るまでに髪が凍ってしまい頭を振ると凍った髪がかちゃかちゃいってましたね。

小学生の時は、私を入れて3人の同級生と6時30分にお互いの家に寄ってお風呂に入っていました。順番でお菓子を人数分準備して1個ずつ食べるのですが、お菓子がチロルチョコなんかだととっても嬉しかったりしました。

脱衣所に子供用の台があって生まれたての赤ちゃんが、お風呂に入ったあとシッカロールをはたかれて真っ白になっていたりするのを眺めたりしました。

5月にはおっきな菖蒲が入っていたりしますが、いつもは610ハップが入っていました。

知らないおばさんに背中流してあげると言われて、ゴシゴシされて痛い思いをしたりとかありました。

自宅のお風呂はとても便利ですが、共同のお風呂も今思うと楽しい事もあったなあと思えます。