お風呂の話 パート3

父方の祖父母も鉱山に住んでいましたが、退職して街中に家を作って住んでいました。父は5男1女の3番目だったのですが、お正月には祖父母の家に従兄弟たちが集まるので、全員が揃うと大人数となりました。

お正月の遊びというと、百人一首が定番で、祖母に読み手になってもらいみんなで遊んだものです。

祖父母に家には、五右衛門風呂がありました。大人一人が悠々と浸かれるぐらいの直径90cm以上ある金属でできた釜の周りを、セメントで固めてあり、下の部分は薪で火を焚けるように囲ってあります。いい温度になると、釜の中に木の丸い板を沈めてお風呂に入ります。釜の部分は暑いので触らないように注意して入らなくてはなりません。小さい頃、母とお風呂の周りを触らないようにドキドキしながらお風呂に入ったものです。釜でできたお風呂の事を、江戸時代の大盗賊の石川五右衛門が釜茹での刑にされたことから、五右衛門風呂と言うようですが、小さい時の楽しい思い出です。

スーパー銭湯で五右衛門風呂がありましたが、掛け流しのお湯が釜の中に入る仕組みのものでした。ちゃんと薪で焚いた五右衛門風呂に入った人は滅多にいないかなと、今ではちょっと得意に思ったりしています。